10月下旬、栗原邸のお庭で芋煮会が開かれていた。 テーブルの上には収穫したばかりの食材で作られた料理が並び、中央にある鍋のあたたかそうな湯気が食欲をそそる。
「ほら、何かあったかいものを用意してあげて。」 「これハヤトウリの漬物だよ。食べてみな。ウマイから。」
そう、皆さん気を遣ってくれ、世話をしてくれる。 どことなく懐かしい雰囲気だ。
料理の中にひときわ目立つ栗の渋皮煮があった。 地元の内田さんの家で採れた栗だという。 そして見た目がとても綺麗な渋皮煮は、栗原さんの奥様が、キズをつけないよう一つ一つ丁寧に鬼皮を剥き、時間をかけて煮込んだそうだ。
このテーブルに並ぶ全ての料理は、皆でおいしくいただけるよう「えんやこら」と作られたものである。 芋煮鍋も同様、里芋はその形を崩すことなく、柔らかく煮込まれている。 だしが効いたしょうゆベースの芋煮鍋、味がしみた里芋を口に運ぶと、自然と心も満たされてくる。
心のこもった料理は、食べる人の心に温かさをもたらしてくれる。 収穫したばかりの自然の恵み、それを青空の下でいただくということは、人の心に解放感をもたらしてくれる。
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