皆さんこんにちは。タッケンジャーブラウンです。
今回から新シリーズをスタートしたいと思います。名づけて
「細かすぎて伝えたくても伝える機会があんまりないシリーズ!」
長いですね。すいません。でも他に思い浮かびませんでした。当面はこのシリーズ名でお
願いします。
栄えある第一回目は「遮熱」についてとりあげたいと思います。
ちょっと専門的なお話しになりますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
これまでの家作りでは主に「断熱」と「気密」に重点がおかれ、どれだけ断熱性能が高い
か、どれだけ気密性能が高いかの数値を各社が競っていました。
(因みにこの値として、C値とかQ値とかがあります。C値・・・気密性能をあらわす値。
延床面積あたりのすき間面積のことで、ゼロに近いほどすき間が少なく、気密性能が高い。)
ところがここ数年、建築業界での風潮として「断熱」「気密」に加えて「遮熱」「eco」とい
うキーワードが頻繁に取り上げられています。
そもそも「断熱」とは何でしょうか?これまで重視されていた「断熱」とは「いかに熱の
伝わり方を遅くするか」という考え方です。薄い物より厚い物の方が熱の伝わり方が遅く、
それだけ断熱効果が高いということになります。
厚さ5cmのグラスウールよりも厚さ10cmのグラスウールの方が、断熱材として優れ
ています。また材料によっても熱の伝わる速度「断熱性」が違います。
鉄よりも木のほうが熱を伝えにくく、それだけ断熱効果は高いです。空気も熱を伝えにく
いので、断熱効果が高いもののひとつです。「ガラス繊維・空気」という断熱性の高い素材
を組み合わせたグラスウールが広く使われているのは、こういった事情が背景にあります。
しかし、こういった断熱工法だけでは住宅の冷温環境を保てないとして提示されたのが
「遮熱」という考え方です。
熱の伝わり方は「伝導」「伝達」「輻射」の三つがありますが、断熱は前の二つに注目した
工法、遮熱は最後の「輻射」に注目した工法といえます。
それでは「遮熱」とは何でしょうか?
最近の住宅では、屋根材のカラーベスト、外壁のサイディングと、セメント・コンクリー
ト系の製品が多く使われています。
真夏にコンクリートを触ったとき、とても熱く感じます。これは、コンクリート内を熱が
スムーズに流れず(=熱伝導率が低い)、熱くなってしまうのです。
ということは、コンクリートは断熱性が良いという事になりますが、「蓄熱性」も持ってい
ることが問題ということがわかってきました。昼間蓄えた熱を、夜間に遠赤外線として四
方に放出してしまうのです(=輻射熱)。冬は昼間に暖められた屋内の壁から、屋外に向か
って熱が放出されてしまいます。
厄介なことに、この遠赤外線による熱は断熱材では防ぐことができません。そこでこの輻
射を抑えようと、近年いろいろな建材が発表・発売されています。
「遮熱」建材としては、アルミが遠赤外線を通さない性質を利用したものが多く見られま
す。
当社で使用しているものとしては屋根下地材のルーフエアテックスや防水シートの遮熱エ
アテックス等が、アルミを織り込んだ製品です。
このほかにもおもしろいものとして遮熱・断熱性能を持った塗料「ガイナ」という商品も
でています。塗料なのに遮熱・断熱性能をもっているなんてすごいですね。製造・開発し
ている会社は日進産業という会社なのですが、技術提供をしているのがなんと宇宙航空研
究開発機構(JAXA)なんですね。なんか妙に納得してしまうというか何だかわけわか
らないけどすごいんだろうなと思ってしまうわけです。
断熱塗料ガイナについてはこちら。
屋根・外壁と並んで外部環境と大きく接しているサッシ・ガラスについても、金属膜をガ
ラスに加工したLow-Eタイプのガラスが発売されています。これについてはまたの機
会に詳しく説明したいと思います。
以上長々と遮熱について書いてみました。わかりやすかったでしょうか?次回からもこん
な感じで細かいはなしをしていきたいと思います。ではまた!