佐藤さん宅の玄関先に並ぶのは、赤や黄色、オレンジ色の色彩豊かなお花たち。お庭にある木の枝には、ブランコに乗る子供のオーナメントがあり、キュートな印象を醸し出しています。造りこみ過ぎていない自然なお庭、室内から見えるその景色は、移りゆく季節を実感できる空間となっています。少しお庭を見せていただきました。無農薬野菜を作っていますと、虫がつきやすいのですが、佐藤さん宅では、野菜の隣に虫が嫌がるハーブを植えて害虫対策をしていました。マリーゴールドの花びらはサラダの彩りに、葉はほろ苦さを生かしてサラダやチーズに添えて。バジルはパスタやピザ等のイタリア料理に利用できます。野菜とハーブ、害虫対策をしつつも料理に活かせて一石二鳥です。
佐藤さんは、一番下の子はまだ2歳という状況の中、女手一つで子供を育ててきました。朝2時から新聞配達、それが終わると栄養ドリンクの販売、午後4時には帰宅して夕食作り。下の子2人を連れながら働いていたそうです。そんな状況の中、次男が小学低学年の時に運動場で転倒し、車イスでの生活を余儀なくされました。それでも、次男は負ける事なく、とても強いお子さんだったそうです。今はそれぞれが独立し、車椅子だった少年も現在 30 歳。「次男はね、ずっと車イスだったけどとっても明るくて前向きだったのよ。今は歩けるようになって建築関係の仕事に携わっているの。」
今では子供達、お孫さん、お嫁さん等、総勢14人で遊びに来るそうです。そんなに泊まれないのでは ? という問いに「だからもう雑魚寝よ!前日から頑張ってみんなのご飯の支度をしてるのよ。食事もね、テーブルにのらなかったらその辺で食べて!なんてね ( 笑 )」
佐藤さんのこれまでの人生は、実に様々な出来事があったのですが、「ありがたかったわ」「あの人のおかげなのよ」と感謝の言葉を度々おっしゃいます。状況や物事、人のせいにすることはなく、常に「辛いけど乗り越えよう」「どう自分で切り開いていくか」とお考えになります。ですから自然と人との新たな出会いがあったり、人の助けがあったりしているのですね。
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