「私たちみたいに普通でいいの？」そういって笑顔で出迎えてくれた奥様。
目の前に広がるのは、青々としたフカフカの芝生、そして豊富な種類の野菜が実るお手入れされた畑です。畑には、ピーマンをはじめパプリカ、キュウリ、ズッキーニ、トマト、ナスなどがありました。
「今年初めてスイカを作ったんだけど、成功したよ！」
そう嬉しそうに話すご主人に、すかさず「もうね、飽きるほど食べましたよ」と奥様。なんと、大きいもので９キロにもなったそうです。このあたりのスーパーでは2500円ほどで売られている大きさです。
スイカを作るのは、初心者にとって、少し難易度が高いものでもあります。
失敗例をご紹介しますと、スイカの苗を育てていたら、あろうことか冬瓜が実ってしまった！という驚きの展開や、見た目はおいしそうな緑色なのに、包丁を入れたら真っ白！という育てた者に大きな落胆をもたらすのが、この「スイカ」です。
９キロものスイカを収穫した池亀さん、初めてのチャレンジで大成功です。
お盆に、息子さん夫婦が鹿嶋を訪れました。そして、採りたての野菜にとても感激してくれたそうです。
ご主人はおっしゃいます。
「自分が作った野菜を喜んでくれるというのは、本当に嬉しいんですよ」
この日、綺麗にお手入れされたお庭では、たくさんんお野菜が収穫を迎えていました。

池亀さんご夫妻は鹿嶋に来る前、神奈川県藤沢市のマンションに暮らしていました。
「私はね、もともと菜園嫌いだったんですよ。女房の方がすごくやりたがっていてね」
都会育ちのご主人は、シャベルすら握った事がなく、土いじりには全く興味がなかったそうです。
一方、奥様は北海道育ち。
「マンションのベランダでお花を育てていたんです。２０個くらいかな。でも、お花を育てているうちに、自分で野菜を作ってお料理して食べたら、幸せなんだろうな、と思うようになったんです」
菜園に興味がある奥様と、全く興味のないご主人なのでした。

そのきっかけは、鹿嶋の青空。気が付くと夢中に。